ゆとりとパソコン
今までに何度かパソコンを使った教育やゆとりについて書いていたが、それから2年以上
経って、最近の教育問題に関する新聞記事などを見ていて、また書いてみる。

文部科学省の学力テスト分析結果が公表され、算数などの成績が悪くなっている結果を踏ま
えた学校での対応の一つとして、毎日、ドリルを15分間行っている例が報道されていた。
以前にもこのような方法で数学等の学力の向上があったとの記事を見たように思う。
教育もスポーツと同じで、身に付くためには繰り返してやることが大切で、昔英語の単語を
覚えるのに、単語カードを作って、何度も繰り返し見て覚えたことを思い出した。

毎日ドリルで指導するのに校長先生も含めて総出で行っておられて、それ自体は大いに評価
されても、先生に対する負荷は大変なものだと思う。
問題を作り、テスト後に誤りをチェックして、其の結果で生徒に間違った所を教える必要が
ある。40人の生徒に50の問題をやらせれば、2000の答えをチェックせねばならない。
チェックに1問2秒で計算しても、4000秒で1時間以上かかることになる。さらに間違い
の内容を見て、一人一人に対応するにはもっと時間がかかる。

私の前から提案しているパソコンを使った教育を使えば先生にとってもゆとりの有る教育が
出来ると思う。企業では決算や情報を見るのにパソコンを使うのは常識である。
ドリルのようなものは、パソコンに何千題も入れておいて其の中からランダムに出題させ、
50題終わったらすぐに間違った答えと、間違いのパターンを自動的にしらべて、その間違い
に応じてパソコンが正しい解答と理由を教えることまで出来るはずである。

間違いのパターンがある程度類型化出来るのは、上に書いた学力テストの結果の報道でも
はっきりしている。
例えば  9+4x5 の計算ではかけ算を優先して後から9を足すので、答えは29だが、
足し算を先にして13X5 で65にしてしまうタイプの誤りが17%近くあったようだ。
このような場合、何題かの答えをパソコンがチェックするだけで、計算式の基本ルールを
間違えていると判断出来る。
従って、結果を見たパソコンが、ソフトの中に有る基本ルールの説明と計算例を表示して
教えるところまで組み込むことが出来る。報道されていたような三角形の面積の計算で、
2で割るのを忘れている間違い等、引き算かけ算などでも間違いの多くはパターン化出来る
はずだ。
先生はパソコンのプリントアウトの記録を見れば、誰がどのような間違いをして教えられ、
間違いが直ったことまで確認でき、それを見ながら生徒に声を掛けて励ましてやればよいし
特殊な間違いについての指導時間をとれる。ソフトで先生が関与する範囲もいろいろ替えて
対応の選択も出来るだろう。

パソコンは道具であり、教育の手段なのだから、大いに活用し、このようにして出来た
先生のゆとりを、社会科の授業のように、生徒が議論しながら参加するような、先生でなけ
れば出来ないようなところに使ってほしい。
黒板の前での授業では、平均的な生徒を対象にした授業しか出来ず、理解の遅い生徒は落ち
こぼれになってしまう。上記のゆとりをそのような生徒に振り向けることも出来るだろう。
子供の方がゲームなどで慣れておりパソコンを使うことなど、ほとんど抵抗はないと思う。

以前に「教育にパソコンを」に書いたが、この程度の機能のパソコンなら5万円も出せば
買えると思われる。私の卒業した小学校を見学する機会があったが、パソコンを置いた教室が
一つ出来ていた。
学校の規模にもよるが、数クラス分のパソコン教室があれば、教科の配分で必要な教科の時に
交代で使えるだろう。ダムや道路の予算を少しまわせばパソコンを設置することなど簡単な
ことで、ソフトを作るのも人間であるから、雇用対策にもなる。このようなソフトは世界中で
使えるものである。
IT化と言われているが、教育の現場が一番遅れているのではないか。
ゆとり教育で教育の質を落とさず、先生にもゆとりを持ってもらうにも、パソコンを使った
教育が必要であろう。


ホームページに戻る                   2003.5.26.