ソフト技術者の責務
最近マイクロソフトの新基本ソフトウインドウ.ズビスタが発売され、音楽や写真やビデオ
など多くのデジタル情報を容易に扱えるようになった他、多くの改良がなされたと宣伝され
ている。
しかし、新ソフトに買い替えた人からの苦情が出ていることも報道されていた。この報道に
よれば、いままでウインドウズXPなど以前からのソフトを使用していた人が新基本ソフトの
ウインドウズ.ビスタを導入したら、周辺器機のプリンターなどが動かなくなったなどのトラ
ブルが起っているとのことである。

一昨年私はパソコンとソフトと題してパソコンのソフトや器機が進歩して行くのに対し、旧い
ソフトや器機が対応していないのでは、ユーザーとしては困ってしまうと書きましたが、
ウインドウズの新基本ソフトでも同じ事をやっていて、旧いユーザーを切り捨ててしまう
ようなことをしているのを知って残念に思っている。
マイクロソフトはパソコンソフトの世界を制覇している大企業であるが、それだけに技術の
進歩と新製品の販売に対しての謙虚さが求められると思う。
ソフトを変えたら周辺器機まで買い変えなければならないようでは、開発したソフトの技術者
又それを発売した企業としては失格であろう。
Macが先に新基本ソフトを組み込んだパソコンを発売した時には、クラシック環境として旧い
ソフトも同時に機能するように考えていたように思う。
今どきメモリーの容量は以前より何桁も増えているのだから、やろうと思えば新しい機能を
少し減らしてでも、新ソフトの中で旧い器機にも対応するようにすることは出来るはずである。

おれたちが業界をリードしており、新しい機能を組み込んだものを発売するのだから、それを
使いたければプリンターやその他の器機を買い替えねばならない事など知った事かといった
驕りを感じるのは私だけだろうか。
それ自体としては使用可能なプリンターなどの周辺器機をスクラップにせねばならないとは
勿体ない話で、地球環境問題が大いに議論されている中で企業の基本姿勢に問題がある。

新しい技術が進歩して便利になるのは他でも沢山例があるが、いずれも使用している旧いユー
ザーにも迷惑を掛けないよう新旧のシステムや器機が相当の期間平行して使用出来るよう継続性、
連続性が保たれることを前提になされている。
私の使っている住所録管理ソフトを最近Ver.8からVer.14に買い替えたが、かなりの年数が経過
しているのに、旧い住所録を新しいものに移し変えるのに何のトラブルもなく移行出来、新しい
機能も使用出来ている。
最近改札口で定期券などがタッチ式で通れる、ICチップを埋め込んだカードに対応する器機に
切り変えられているが当然旧い定期券も両立して、通過する利用客には全く不便を感じさせない
ようにしている。もし旧い定期券を持っている人は通れず、別に金を払えば通れると言われたら
どうだろうか。
テレビもあと数年でアナログの電波からデジタル地上波に切り替えられることが決まっているが
それを受信するためには何らかの器機を購入せなばテレビが見られなくなる。国民全体に投資を
強いるのだから国としても十分な配慮が求められる。便利になるのだから当然支払えでは済ま
ない話で、今の放送内容でも充分楽しめている人には不必要な出費になる。
先日、切り替えの期限になったら、生活保護を受けている世帯などにはデジタル対応の器機を
買うために補助金を出すなどの施策も総務省が検討しているような報道もあった。
これほどの問題ではないが、パソコンは産業界だけではなく、一般家庭にも広く普及し75才を
過ぎた私のまわりの人でも多くの方が使用をしています。企業ではパソコンの買い替えをしても
何年かで償却できるが、一般家庭ではそんなにしょっちゅう買い替えなどはしないで長く使用
するので、少なくとも10年前の器機ぐらいには対応するようにすべきです。デジタル放送への
切り替えは10年近い期間を掛けている。
いろいろと書きましたが、新しい技術を開発して便利になる裏で、今でも使用出来ている器機を
廃棄し新しい器機を購入せねばならない事などないようにするのが開発技術者の責務である。
物を売っておいて、買ってからそれは対応していないと言われても困るので、良く成った点の
PRと同時に、周辺器機との対応に問題が起ることも事前に十分説明し、大きく表示して販売する
ことをすべきであり、基本は、最初からそんな事が起きないような改良ソフトを開発すべきで
しょう。
いま問題になっているガス湯沸かし器の問題でも、始から危険の無いような設計にしておくべき
だし、換気を充分にせねばならないことの注意書きは器機の正面の目立つところに書いておく
などの配慮が必要である。


ホームページに戻る                            2007.2.26.