自然保護
7月に知床が世界自然遺産として登録されたことは、日本にも世界自然遺産に値するだけの
自然環境がまだ残っていたことの証しであり、喜ばしいことです。
日本では1993年に屋久島と白神山地が世界自然遺産として登録されて以来のことです。
日本のように狭い国土で人口が多く、開発が進んでいる場合自然保護は難しく、これからも
自然保護には相当の努力をしていく必要があります。。

知床でもエゾシカやヒグマが増えて民家の近くに出没し、農作物を荒らしたりする被害も
起っているようです。全国的にも熊が民家の近くまで出て来たという話は、今年になって
ニュースに多く出てきています。こんな時に、人間の生活と自然保護との関係ををどう考える
かが問題になってきます。

自然界では、あらゆる動植物が共存関係にあり、食物連鎖の中に組み込まれており、一つの
種だけが繁栄することは難しいことです。
人間が生活していく中で、田畑を耕して食料を得るようになって何千年にもなるが、これも
見方によっては自然破壊をしながら進化してきたことになります。棚田を一つの景観としての
保存運動に理解は出来るが、見方によれば棚田も自然破壊の状況の一つと言えなくもない。
人間が手を加えなければ、棚田は多分、雑木林になってしまうでしょうが、人工的な物を排除
するならば、それが自然の姿と言える。
勿論、人間も自然の中の一つの種であるから、人間が生活の中で作るものも自然物と言って
しまえば、棚田は自然保護の対象に入るかもしれないが、何処までの人工物を許すかです。
今年は6月に雨が少なくて、四国のダムが干上がってしまった様子をテレビで見ていて心配
していましたが、7月になって雨が降り何とか渇水による断水は免れた様です。そんな現状を
見ると、やはりダムが無ければ夏場は乗り切れないので、このダムは人間にとって必要なもの
だと考えられます。しかし最近はダムを作る事は自然破壊であると反対が多いのも事実です。
昔から治山治水という言葉がありますが、何処までが許容されるのか、自然破壊かどうかの
評価基準を明らかにすることが求められます。人間が生きて行く上での最小限のものかどうか
環境に対する影響が最も少ない案かどうかが限界かと思いますが、それも人によって議論が
別れることでしょう。
東京やニューヨークなどの大都会を見ると、人間のすることが凄いことだと感心はしますが、
どうしても自然環境を破壊していると思ってしまいます。

地球が出来て46億年、生命体が誕生して38億年の長い歴史の中で、色んな生命体が存在
して、現在に至っている訳ですが、人類は最近余りにも急速に自然界のバランスを破壊して
いるように思えます。
温暖化ガスの排出量の削減について京都議定書で国際的に約束されているが、アメリカが批准
していないとか、中国が束縛されないとか問題が多い。それでも多くの先進国は削減に努力し
なんとか自然環境保護をしようとしています。
発展途上国の生活レベルが上がれば、どうしてもエネルギーの消費量の増加が起って、温暖化
ガスの排出が増えてくるので、自然環境保護については国際的な協力が必要です。北極の氷が
すでに溶け始めていると報じられている時、日本のような省エネルギー技術の進んだ国はその
技術を大いに活用して貢献出来ることが多いでしょう。
中国でもこれから乗用車が普及し台数も急激に増えてくると考えられますが、日本の省エネ
技術で作られた、燃比のよい乗用車になってほしいし、バイオマスで生産されたエタノールの
使用などを最初から計画にいれてもらいたい。

このままで世界の人口の増加に歯止めが掛からなければどうなって行くか心配ですが、日本に
ついて考えると、最適の人口はどれくらいになるのでしょうか。急激な少子高齢化は大きな
問題ですが、遠い将来の安定した状態での自然環境と人口のバランスを考えると、今の半分
ぐらいでもよいのではないかと思ったりします(全くの感覚的な話しですが)。先に量害
閾値と題して書きましたが、自然界とのバランスの中で発展して行く知恵を人間は持っている
はずです。そうなれば自然環境との共存が、ずっとゆったりしたものになるでしょう。
ヨーロッパあたりでも数千万人以下の人口で、国として成り立っているところが多いことから
人口が多いだけでなく、自然とも世界の国々とも共存しているような日本の未来を思います。

知床が世界自然遺産に登録されたことを契機に、さらに自然環境保護とはどんなことなのか、
再度考えてみることが必要でしょう。先月クールビズとして書きましたが、温暖化ガスの
削減のためには、日常生活のさ細な事も、皆が実行することを求められている時に、政府が
言い出したことだからと、表面的に反対したり、背広姿がよいなどと、いまだに評論している
識者がいるのが寂しい限りです。


ホームページに戻る                        2005.7.25.