年齢と線引き
民法上の成年年齢を20才から18才に引き下げるかどうかを検討していた
法制審議会が中間報告をまとめたが、結論を先送りしたと報道されていた。
また、自動車の運転に際して、70才以上の高齢者に「高齢運転者標識」
いわゆる「もみじマーク」をつけることを推奨、75才以上には義務付けて
いることに関しての論議が朝日新聞に載っていて、もみじマークの必要性などに
ついて識者の意見が幾つか紹介されていた。
また、75才から後期高齢者として保険の負担を別にすることについても
議論が盛んに行われている。
私も後期高齢者になっているが、確かに75才を過ぎて医者にかかることが
増えたように思うが、これも個人差があることなので、個々人の状況に応じて
年齢以外の条件で線引きをすることは実務上難しいことも理解できる。
政府が決めた定額給付金の支給について、8000円を加算する年齢算定基準が
来年の2月1日となり、その日に18才以下および65才以上の人が支給対象と
なることになったとも報道されていた。これも一日違いで貰えたり貰えなかったり
することになる。また支給に対して所得制限をするかどうかも議論されていたが、
その限界所得を幾らで線引きするかも困難で、収入が多い人は自主的に辞退する
べきだなどと妙な話にもなっている。

物事を決めるには何所かに線引きをせねばならないことが多々あり、その線引きに
対する合理性が議論の対象になる。
入学試験などは、定員に対して入試の点数の何所かで、否応なしに線引きをされて
合否が決められてしまう。入試の成績が1点差で大学に不合格になった人と合格した
人とは実力的にはほとんど差は無いだろう。もう一度試験をしたら逆転する可能性も
多分に有ると思うが、それは仕方がないことだと割り切って受け入れられている。

上記のもみじマークについては、75才以上の人の事故件数が統計では平均値の
約2倍になっていることから一理はあるが、75才で急に増える訳では無く、これも
個人差があることなので運転に際しての適性について、運転免許更新時のテストで
客観的に判断出来るのではないかとも思う。しかし現在は実務的に年齢だけで線引き
されている。

また成年年齢の引き下げについては、何らかの広範なテーマについての調査、例えば
政治に関することや社会の諸問題に対しての理解や関心度などを年齢別に行って
18才19才20才でどのような差が出るのかを行ってみる必要があると思う。
何のデーターも無しに結論を出すのは問題があるだろう。法制審議会でそんな調査を
やったとの記事は無かった。

線引きをするには平均値を標準に決めなければならないことも多いと考えています。
選挙結果など大勢の人の投票結果が平均的な世論であり、個々にはばらつきがあっ
ても、総合的には人々の合意として受け入れるのをルールとして認めざるを得ない。
ただ、平均値で決めると具合の悪いこともあるので注意を要する。その例として
通路の巾などは太った人も通れるように広くとるように、最大の人も最低の人も
満足するような決め方もあり得るので、ケースバイケースで決める尺度を変える必要も
ある。
もみじマークについても先の新聞記事でのコメントでは、自分はまだしっかりして
いるから付けるのに抵抗があるとの記述もあったが、運転適性を正しく判断出来る
テスト方法が確立されるまでは、平均的な年齢での線引きになるだろう。
遊園地の乗り物で子供の身長で制限しているものもあるが、それぞれ線引きに工夫
しているようである。

その他に線引きではなく、プロラタ方式と呼ばれる変化をステップ的に行わず、給付や
課税などを年齢や所得に比例して行う方式もあります。すべてをその方式にするのも
煩雑になるが、コンピュータの能力が向上した現在ではもっとこの方式を適用する
ケ−スを増やすことが出来るように思います。

追記:以上まで書いてアップロードしようとしていたら25日の夕刊に警察庁が
「もみじマーク」の表示義務を努力義務にして罰則を撤回することなどを含む道路
交通法改正案を示したことが報道されていた。法の改正が行われるとしても来年の
ことになり、上記意見の内容を書き換えることもないのでそのままアップロード
します。


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