二世と世襲
先日、落語家の林家いっ平さんが林家三平の名前を襲名し盛大な襲名披露の
宴があったことがテレビや新聞で報道されていた。まだ若いのでこれからの
精進で、先代の三平の名に恥じない落語家になって欲しい。
歌舞伎の世界でも有名俳優の名前が襲名され、それぞれ先代に負けず立派に
活躍されている。スポーツの世界でもレスリングの浜口親子、ハンマー投げの
室伏親子、重量挙げの三宅親子、体操の塚原親子、相撲の貴乃花一家など二世の
活躍している例が多い。
私の近所には、私が子供の頃から続いている小さな店で酒、タバコその他の
商品を売っている店とお米屋があるが何れも二代目になっており、いずれ
三代目になるだろうと思って見ており、一般には親の職業を継ぐことは良い方に
評価されていると思う。

同様に政治の世界でも二世、三世の議員が多いが、選挙で子供が地盤を引き
継いで出馬することについては問題視され、その是非が論議されている。
国会議員に二世、三世の比率が多く地盤が世襲されているのは、そこが
閉鎖社会になっていて、新人が当選し難いハンディキャップになり、選挙の
公平性に欠けるのではないかというのが主な論点になっているようである。
選挙の場合三バン(地盤、看板、鞄)を持っているのが有利な条件になるので
二世、三世が有利になるのは否めないが、一番大事なことは当人が議員に適
しているかどうかである。二世、三世だから出馬を制限しようとするのは
どうであろうか。地盤が利権に結びついていることが多いのではないかとの
批判もあるようだが、利権について不公正があればそれは別途問題にすべき
ことであろう。

有名歌舞伎役者の場合は殆どが子役の時代から舞台を踏み、厳しい修行を
経験して襲名している。上記したスポーツ選手の場合も、親の素質を遺伝的に
受け継いで生れた上に、厳しい練習を重ねて一流選手になっている。特に
スポーツ選手の場合は成績がはっきり表れるので名前だけ有名でもその世界で
通用しない。上記の店では子供が店を手伝っており、子供の頃からそれぞれの
商売の基本を習って育っている。
何れも、単にその家に生れたというだけでなく、それを受け継ぐだけの
経験を積ませ、必要な事を身に付けさせて一人前に育て、跡継ぎにしている。

政治家の場合も、ただその家に生れただけではなく、世襲するだけの
人間に育てられているかどうかを問題にすべきであって、素質と育った
環境からは政治家に向いていることもあるので、二世、三世だから排除
するような議論であってはならない。革新陣営と見なされる江田五月は
江田三郎の子供であるが、親の政治姿勢を見て育ち、その志しを引き継ぐ
心で政治家になったと思う。
実績の無い新人が新しい世界に入って二世と呼ばれる候補に勝ち成功する
には世間の厳しい目に堪えるだけの努力と情熱が要求される。
宮崎や大阪で新しい府県知事が生れて活躍しているが、既存の政治家から
支持された候補者(広義の二世)でなく当人のやる気や情熱が支持された
結果であったと思う。
この結果を見ていると、政治家も選挙で選別されて出て来るので、時代は
変わり、国民は人を見る目を持ってきていると思って良いのではないか。

現在国会議員の中に占める二世、三世の比率は自民党では50%を超え
民主党でも30%近い数字になっている。次回選挙では民主党が躍進
すると予想されているが、その結果として全体の中での比率がどうなるかに
興味があり、国民の見る目が試されていると思う。


ホームページに戻る                 2009.3.25.