猛暑に思う
今年の暑さは格別で、大阪ではほとんど毎日35℃を越え、東京都心では39.5℃を
記録し、千葉では40.5℃になったと報道されている。
そんなことから、最近東京に建設された高層ビル群による風の遮断効果なども議論され
ている。
風の遮断効果もそのビルの近くでは大きいかもしれないが、東京都の面積からすれば
全体に影響する程では無いだろう。勿論ビルの高さの影響はその高さの5〜10倍ぐらい
風下の地域に及ぶだろう。しかし、地表全体の風速は気圧配置でほぼ決まり、地域の
ヒートアイランド化現象には地域に流入するエネルギーの総量が一番大きい影響を持って
いると考えられる。
風の遮断効果については、ビル群の配置模型を作って、風洞実験を行い,その影響の
程度を、何所かの研究所で確認して欲しいものである。

先日来の暑さのデーターで東京より熊谷市の気温が高かったのは、東京で暖められた
空気が熊谷市の方に流れて行き、このような結果になったと言われていた。
密閉した室内で冷房装置を運転した場合、作られる冷たい空気と排出される熱量が
混ざって、部屋の温度は装置を運転する為に投入されたエネルギー分だけ上がっていく
わけで、暑いといって冷房するほど、ますます地域の気温は上がっていくという悪循環に
なってしまう。
東京が冷房して、その排熱を熊谷市に押し付けていることになる。勿論冷房のエネルギー
だけでなく、ビルに働く人、照明、パソコンなどのOA機器などから出される排熱やそこに
集まって来る自動車からの排熱も大きく、30〜40階のビルになるとビルの敷地面積
当たりに排出されるエネルギーは太陽からのエネルギー0.8KW/m2に匹敵するぐらいに
なるだろう。
そこの建物部分では、太陽二つ分のエネルギーが投入されることになり、それを想像する
だけで、超高層ビルが集中することの問題の大きさが理解出来るだろう。

一昨年ヒートアイランドと題して書いた中に提起しているが、都市開発の場合、地域の
面積当たり投入、排出されるエネルギーの総量を規制することが必要である。さらには、
その総量を下げていかなければ、問題の根本解決にはならない。

ヒートアイランド化を和らげるために、昔から行われている打ち水を見直そうとする
動きも報じられている。昼間に加熱された地面の温度を打ち水の蒸発熱で冷ましてやる
ことによって、都心の温度を下げようとするものであり、一定の効果が期待出来る。
しかし、ここで蒸発した水によって大気中の水分が増加し、湿度の高い空気が、例えば
風下の熊谷市の方に行けば、そちらでは冷房する時の除湿の負荷が増えるため、冷房
費用が嵩むことが考えられるので、このあたりは、専門家にしっかりシミュレーションを
して欲しい。
子供のころを思い出すと、夕方には家の前の道に水撒きをする手伝いを日常的に行なって
いた。その頃は道路が舗装されておらず、水を撒くと地面にしみ込んで、長時間効果が
持続したが、今ではほとんどの道路が舗装されており、水を撒いても溝に流れてしまう
ので同じ量の水をまいても効果が悪いことになる。従って、打ち水をするには、まず
保水性の舗装にしなければならない。
この原稿を書いていたら、打ち水効果の為の保水性舗装の施工に対して、国土交通省が
補助金を出すとの新聞報道がありました。大都市では今後行われるすべての舗装工事を
この方式で行うようにすべきである。

屋上緑化も同様にヒートアイランド化の防止に効果があり、推奨されているが、施工費が
m当たり1万円以上も掛かるため、良いと分かっていても広がらないのが実情である。
打ち水効果がかなりあるとの結論が出るのであれば、屋上にも打ち水効果を狙った、より
安い方策がある。
屋上に保水性のある不織布を敷き詰めて散水すれば、土の道路に散水するように、徐々に
蒸発して、より安い費用で打ち水の効果が得られる。不織布の方式であればm当たり
千円程度で出来るはずである。従って、この方式なら同じ予算で10倍以上のの面積の
工事が出来ると思われるので、どこかの企業で研究してみてほしい。
散水する水は低処理の回収水を使用するのが望ましいが、高層ビルなどでは回収水の
リサイクルシステムの義務化によって、浄水より安い水を使用出来るようになる。

夏期のノーネクタイ、軽装化については、まだまだ不十分ですが、だいぶ浸透して来て
いるようなので、これは嬉しく思っています。


ホームページに戻る                        2004.7.25.