日本の水の利用については、弥生時代に水稲農業が始まって人工的に水路を造ったり
し始めたのがスタートでしょう。国を治める基本的なこととして治山治水と言われ
ますが、人間生活の安定には水と旨く共存していくことが、古来重要なことだったと
思います。
海の魚介類の生態に、山の森の涵養が大きく影響すると言われますが、昔から治山
治水と一つの言葉になっているのも、人間の長い間の経験から来たものでしょう。
人類の文明の発展がチグリス,ユーフラテス河地域などにあるように、日本の大都市で
ある東京、大阪なども河の流域に出来ています。このような都市の発展には、水との
共存がいろんな意味で影響しており、その発展過程で、人は堤防を造って住む土地を
洪水から守り住民の安全な生活を確保し、飲料水や農業用水に使うなど、水と共存し
利用するための技術を蓄積してきました。江戸時代になり、大阪商人は多くの堀を
造って物流の便をはかり、大阪を商都として発展させて
きたし、明治時代になっても京都では疏水を作って琵琶湖の水を引いて来て、その
水を利用して発電所を造るなど、水の利用について素晴らしい仕事をしています。
戦後、経済の発展に附随して、公害問題を起こし、水の汚濁も大きな問題となり、
さらに人口の都市部への集中による生活排水による汚濁も起きてきました。しかし、
公害規制の強化により、公害対策技術の研究が大いに進み、まだ完全解決とは行か
ないが、日本の水質は随分改善されてきていると思います。
江戸川にボラの大群が押し寄せてきたのも、タマちゃんが来たのも、水質が改善
されたことの現われと考えます。
このように、日本は長い歴史の中で、水に関しては多くの経験をし、水の利用、水質
保全など技術の蓄積も多く持っています。
そんな技術で、水の問題に対して世界に貢献出来ることがたくさんあり、フォー
ラムの最後に日本政府により91項目の「水行動集」が発表されています。
この中に、「中東諸国での海水淡水化研究協力」も含まれており、前回取り上げた
ように、海水淡水化について日本が世界一の技術力を持っていることが実績として
認められている事によると思います。
次に、水のEXPOに展示されていた技術などを見て気の付いたことを少し書いて
みます。
1:雨水の利用
雨水を溜めて利用するための技術が多く出展されていたが、雨水の地下への
浸透を促進し貯留して利用するための透水性舗装材料、簡易な地下水槽、ろ過
設備、屋上緑化や雑用水への利用システムの提案など、前回コメントした
中水道への発展を期待したい。
2:マイクロ水車発電装置
低い水位差の流れに設置して発電させる小型の発電設備で、日本のように
低落差で小型の川が沢山あるところでは、利用できる場所が多いのではないか
と思った。
このように小さい設備であれば、景観を損なうことも少なく、風力発電より
安定した電力が得られる点で優れているように感じた。
3月26日の新聞にもこれを利用して発電事業が始められるとの記事が載って
いたが、今後大いに利用されることを期待したい。
3:膜システム
前回書いたRO膜を含めて、各種の膜を利用した水処理技術が紹介されていた。
これに関しては書きたい事が沢山有るので、次回に膜分離技術として、別途
書いてみます。
4:飲料水ボトル
最近、スーパーなどでも、ペットボトルに入った水を沢山売っているが、今回の
展示でも
各地の天然水を始め、浄水器を通した水など非常に多くの水が展示され、サン
プルの試飲、配布もされていた。
健康指向の時代であり、水道水のカルキ臭を嫌うこともあり時代を感じるが、
それにしても随分多くの種類があり、世間の関心の高さの反映かと感じました。
フォーラムは終わりましたが、世界には水不足や不衛生な水しか無いなど問題を
抱えた所が沢山あり、将来、水不足がさらに悪化する見通しもあるので、これを
契機に日本の水関連技術が世界の水問題の解決に役立ってゆけば良いと願って
います。