クールビズ
6月になってクールビズ運動が始まり、新聞、テレビ、週刊誌などで次々と記事に取り上げられて
おり、夏の軽装化に関する報道が昨年までの10倍以上になっているのを嬉しく思っています。

私は2001年に夏の背広姿と題して書き、翌年はヒ−トアイランドと題し冷房温度を上げ省エネ
ルギーの実をあげるためにも夏の軽装化を進めるべきであること、さらに、翌年はノーネクタイ
昨年は猛暑に思うと題し大都市での冷房負荷を下げる努力の必要性について書きました。
企業や官公庁でもすこしづつは夏場の軽装化の動きは出てきていたようですが、今年は環境省も
小泉首相も、また多くの企業も力を入れクールビズ運動として推進しはじめたことで、軽装化が
一気に進み始めた事は、やっとここまで来たかとの思いと同時に私の考えが間違っていなかったと
実感しています。

評論家の中には政府が音頭をとって服装について兎や角言うべきでなく、各人の自由意思にまか
せるべきだと評論している人もいるようです。人がどんな服装をするかは自由であるのはその通り
ですが、日本のような縦割り社会では上の人の顔色を伺いながら行動する人が大部分で、お役所の
人が背広を着てネクタイをしていれば、訪問者は気を使って背広姿になり、部長が背広を着ていれ
ば課長以下は、それが如何に馬鹿馬鹿しいことであり、不合理と思っていてもそれに従ってしまう
のが実情でしょう。
それを考えると政府では小泉総理が産業界では奥田経団連会長が率先してク−ルビズの服装を実践
されているのは、さすがに、今、何が大事なのかが分かっている人の行動だと思われます。

また、営業職の人では相手に気を使って軽装にしないとの意見もあるようだが、夏の暑い日に
背広で汗だくで来てもらっても逆にこちらが気を使って、どうぞ背広を脱いでくださいと言い、
冷たいお茶の一杯も勧める必要が増えるだけである。むしろ軽装で爽やかな顔で来てもらった方が
客先にも気持ちがいいと思われます。

環境問題については京都議定書が批准され、日本はCO2の排出を大幅に削減せねばならないこと、
東京などヒートアイランド化が深刻になり、ビルが空調をすればするほど気温が高くなり、冷房
負荷が増えるという悪循環に陥っていることなどから、クールビズを推進するよう旗を振るのは
政府の責務であり、褒められこそすれ、服装は自由だからほっといてくれと言わんばかりの評論は
耳を疑うものです。そんな中でテレビで評論されている筑紫哲也氏が軽装で番組に出ておられる
のは立派であり、他のニュースキャスターも評論する前に良い事を自ら実践して欲しい。

また、今回の軽装化の動きに対しての政治家の反応をニュースの中で見ていると、郵政の民営化に
反対と言っている顔ぶれが、やはり背広にネクタイだと言っているのが、いかにもそれらしい反応
をしていると可笑しくなってくる。背広を着て冷房の効いた自動車で送り迎えされ、冷房の効いた
部屋でだけ仕事をしていて、ヒートアイランド化した町を歩いて通勤し、仕事に出歩くサラリー
マンのつらさなど気にも掛けない人たちであり、日本で今なにが求められているか理解しているの
だろうかと思わせる。

民主党あたりがどんな反応をするだろうか、国会の本会議場でも軽装でいいじゃないかとでも提案
すれば見どころがあると思っていたが、そんなことも言わないようでは、国民の支持が増えない
のも当然だなと思わせるものであった。
国会の本会議場は28℃に冷房温度を設定しているのか確認したいものだが、もし背広にネクタイ
姿に合わせた温度に冷房しているとしたら国民の税金で冷房費を賄っているのに、とんでもない
ことである。背広とネクタイでしか品位が保たれないとは情けない話してある。
もし28℃に設定されていても背広にネクタイで審議出来るのであるなら、設定を29〜30℃に
上げ軽装にして環境問題に協力するのが本来の有るべき姿であろう。どちらが大事かの価値判断が
出来ない人たちと感じてしまう。世間では軽装で真面目に真剣に働いている人が多いが、そんな
人には品位が無いとでもいうのでしょうか。逆に中身のない人間ほど服装で権威付けをしたがる
ように思えるのは私だけでしょうか。

アラブの外交団が軽装や民族衣装でクールビズの小泉首相を表敬訪問した様子が新聞記事に報道
されていたが、暑い国々では軽装が当然であるようで、日本で軽装にするのになんの違和感も無
かったようである。
日本で洋服を着るようになったのは明治以来のことである。背広にネクタイ姿というのは英国の
まねをしただけのことと言われている。何故そんなことにこだわるのだろう。
NYの原油価格が60ドルになろうとしており、環境問題や省エネルギーがこれほど叫ばれる時に
日本の夏の正装はこの軽装であると胸を張って言うべきである。

すでに、2001年から銀行として夏は半袖、ノーネクタイを実践されているびわこ銀行の長尾
頭取の発言が新聞に紹介されていたが、銀行のような固いと思われる会社でもやろうと思えば出来
たことで、他にも多くの企業が軽装を実行している。政治家も経営者も評論家も信念を持って実行
すればよい。

ネクタイ業界が困っているとの報道があり、それには同情しますが、本来不合理なことは何時かは
変わらねばならぬ運命にあると思う。私も胸元が寂しい時にループタイを使っていますが、ループ
タイでもデザインを工夫すれば充分仕事に使えるものが出来ると考えるので、ネクタイ業界で協力
して開発して小泉首相にプレゼントし、新しいマーケットを作るぐらいの意欲を示してほしい。

また、軽装の場合ポケットが少ないので、通勤定期券など小物の入れ場所に困るとの意見もあり
ます。まだあまり市販されていないので、シャツ業界としてもっといろんなデザインのものを作
ってほしいと思うのが、蓋のついた胸ポケットが二つあるものです。
私は半袖でそんなデザインのものを着ていますが、ポケットが二つあれば定期券のような物や薄い
名刺入れなども入れられ、蓋があると、屈みこんだりしてもポケットの中身が落ちないので便利に
着用しています。ただ問題なのは、現在このデザインの物の色や種類で、市販されているものが
少ないことです。
毎日着るものだけに、実用的なことが必要であり、このデザインで宣伝したら使用者に喜ばれると
思います。

クールビズ運動についての世論調査の結果などもぼちぼちと報道されています。今日の日経新聞の
記事ではクールビズを歓迎するが65%で歓迎しないは5.2%と大差がついていて、当然の結果
だと思いました。
私も5年続けて夏の軽装化に関連して書くことになってしまいましたが、来年からはもう書かなく
てもすむように、クールビズが根付いていくことを願っています。


ホームページに戻る                       2005.6.27.