言葉遣い(補)
前回言葉遣いと題して書きましたが、その後も失言があって農水相や事務次官が
辞任することにまで発展した。勿論失言だけが原因ではないが、言葉遣いについて
よくよく慎重にせねばならないと思った。
アメリカでも大統領選挙に絡んで共和党のペイリン副大統領候補について
民主党の大統領候補オバマ氏が豚呼ばわりをしたとかで論争になっていた。
このような報道を見て、言葉遣いについて思ったことを補足して書いてみます。

報道によれば農水相は汚染された事故米が食用に流通したことについて「人体に
影響がないのであんまりじたばた騒いでいない」と発言し、農水省の事務次官は
「私どもに責任があるとは今の段階では考えていない」と発言し何れも辞任する
ことになった。本質的な事の重大性を理解しない発言であり非難されても致し方が
ない。
前回の「日本では安全について国民がやかましく云うので、それに応えざるを
えない」との発言の中の「やかましい」との表現の真意がどうかについて、たま
たまテレビの「モンスター.ペアレント」という番組を見ていて同じような使い方が
されていたのが気になった。
「やかましい」との表現は、番組に出ている男性が好意を持つ女性にセーターの
ようなものを贈りたいと思い、店の女店員にアドバイスを求めた時に「その方は
やかましい人ですか」というような表現で聞き返していたところに出て来た。
このドラマの作者はこの表現をどの程度の意味で使ったのかは分からないが、
ここではそれほど悪い意味で使われたような印象はなかった。

同じ言葉でも使う人の状況と、ニュアンスによって良くも悪くもなり「ばか」と
云ってもゆっくりと「ばーか」といった言い方なら相手を悪く云うのでは無く、
甘えている場合もある。
このように同じ言葉でも状況や発言の仕方で現わす真意や受け取る人の印象は
全く違ったものになる。書かれた文字を読んだのではそこまでは分からないことが
多い。責任ある立場の人は言葉遣いについて余程注意をしなければならない。

アメリカの場合、オバマ氏の「豚に口紅を塗っても豚は豚だ」との発言は共和党の
ペイリン副大統領候補にたいする性差別発言だとの共和党からの非難に対して、
オバマ氏からは、マイケン氏の改革について云ったので女性のペイリン氏(口紅)を
連れてきてもマイケンの政策が駄目(豚)だと云ったのだと反論しているようだ。
何処の国でも対立する相手の言葉に揚げ足をとって非難するのは同じようである。

このような言葉遣いに絡んだ論争や言い訳をみていると、結局は云う人の立場や、
状況から発言の真意や人の本音がばれてしまうものだと感じられる。
以前から思っていることに、平和運動とか原水爆反対の運動なども表現だけから
見るともっともな事なのだが、よく聞くと政治的に対立する相手に対しては反対
であるが、自分の立場の陣営のものは擁護していることはよくあることだ。
原爆が独裁国家に拡散するのは問題で経済制裁をしてでも押さえ込もうとするのは
賛成だが、味方陣営のものはなし崩しに認められていくのが問題だ。
妙に正義漢ぶった言葉遣いや美辞麗句の発言には却って気をつける必要があり、
その本質を見極める目を持つ必要があると思う。


ホームページに戻る                     2008.9.23.