関西空港について
関西空港の二期工事予算が認められ07年に第二滑走路の使用が開始される
見通しがついた。同時に国土交通省の伊丹空港の第2種空港への格下げやジェット
便を削減して関西空港に移すとの方針が出されたことから、関西の3空港のあり方
についての議論が高まり、新聞にも伊丹空港からのジェット便数削減の方針などに
対するアンケート調査の結果も発表されている。
私は以前に神戸空港案に思うと題して書いていますが、この機会にもう一度、最近
思ったことを書いてみます。

交通システムの基本的な考え方については前に書いたように、如何に便利に安く
利用出来るかにある。その他にも環境、安全などについても配慮が必要である。
国際空港としては、東京では都心から遠く離れた成田にあって国内線の主力の羽田
空港とも離れているために、海外から到着して国内各地への乗り継ぎが非常に不便で
ある。
関西空港を作った時は、伊丹空港を廃止して国内線も全部集中するとの方針であり、
関西空港では乗り継ぎが便利になって、日本の国際空港としては理想の形になる
はずであった。
ところが、大阪市内や近郊へのアクセスが悪いことから、便利な伊丹空港を廃止
することへの反対の声が多く、国内線の大部分が伊丹空港での発着を続けている。

伊丹空港の問題点について考えると、都市部の真ん中にあり、騒音の問題があって、
最終発着便が午後9時までと制限されているところが最大の問題で、その他には
安全の見地からも好ましくなく、また、将来の拡張にたいしての余地がなく、現代の
空港としては欠陥空港としか言えない。
これに反して、関西空港は24時間発着出来、騒音の問題がなく安全面からも
良くなっている。将来の発着便の増加にたいして拡張の余地がある。
ここに国内線を全部移し、アクセスさえよくすれば国際線からの旅客の乗り継ぎが
便利になり成田空港よりずっと使い勝手の良い空港になる。

新聞情報でのアンケートの結果では、伊丹空港の存続希望の理由は不便になるからが
一番多かった。
しかし、大阪北部では伊丹の減便反対は82.1%であったが、大阪南部では反対は
37.5%であり、国内線が近くなる方は当然関西空港に国内線が増えてほしいと
思っている。
関西空港が平均的にどれくらい不便であるかを具体的に比較してみる。
問題を簡単にするため、大阪駅あたりからリムジンバスで伊丹空港と関西空港へ行く
ための時間と費用をとりあげてみると下記のようになる。
   伊丹空港      25分    620円
   関西空港   50〜60分   1300円 
国際線はともかく、国内線で東京まで1時間程度のところで空港へ行くまでに30分
もの差は大きい。値段も倍以上かかり、往復では 1360円差とバカにならない。

では、反対意見を無くするにはどうしたらよいだろうかを考えてみる。
関西空港への所用時間を20分程度にし、値段も1000円を切るぐらいにすれば
大勢の人が伊丹空港の閉鎖についても了承するだろう。此の程度の時間で関西空港から
大阪駅まで来られれば、夜の11時に関西空港に着いても大阪駅あたりで11時半頃に
なり充分帰宅出来る人が多いだろう。現在9時以降発着出来ない伊丹空港と比較すると、
その優劣は明らかであり大阪北部の人にも喜ばれることである。
伊丹空港の廃止について、このような改善がされた条件で賛成、反対のアンケートを
とってみたらよい。

上記のような20分という時間の可能性について考える。
大阪駅あたりから関西空港までの距離を約40kmとして、時速160km/時で走れば
15分で行けることになる。現在○○特区などと例外を特別に許可されることがあるが、
関西空港への新高速道路を建設し、ここでは乗用車とバスしか走らせず、特別に160
km/時までの速度を許可すれば前後の余裕をみても20分は実現可能であろう。
この高速道路では関西空港ゆきは途中は入口のみ、また空港から市内に向けては出口
のみにすることも考えられる(但しリンクウタウンだけは例外にしてもよい)。通行
料金は均一にして関西空港だけで料金を徴集すれば人件費も安くできる。また、バスを
この時間で運行すれば1時間に1往復出来るので、運転手の労務費も現在の1/2に出来、
先に書いた運賃レベルも可能性があるだろう。
さらに、新幹線から分岐して小編成の軽量ワンマン列車で空港に乗り入れる。これで
15分を切る時間で新大阪から空港に行けることになるので前後の時間余裕を見ても
20分は実現可能と思われる。新幹線を乗り入れれば空港から大阪だけでなく、JRで
各地へ行く人も非常に便利になり、海外からの観光客も成田に行くより関西空港を選ぶ
ようになる。

上記新高速道路と新幹線はできるだけ海岸沿いに共通経路を通しコストを安く建設
する。伊丹空港を廃止すれば跡地約300万平方メートルを売却してその費用を捻出
することが可能だろう。
こうして道路と路線建設の償却費用は無しにし、運営費用のみをJRや道路管理者に持たせ
れば、運賃や利用料も安くできるだろう。
なお、伊丹空港の跡地を使って、新高速道路を北に延ばせば、池田市あたりから
大阪まで4〜5分で行けるようになるので、関西空港まで25分程度で行け、北部の
人の苦情も減らす事ができる。
便利になり、利用者が増えれば世界の航空会社の乗り入れも自然に増え、関西空港の
離発着数年間20万回も夢ではないだろう。旅客数も伊丹空港からの旅客が増える分を
加えて年間4千万人程度になり、空港全体の採算も充分とれるようになるはずである。
また、空港関連の仕事が増えて、リンクウタウンの空き地も埋まってくるだろう。
神戸空港は先にも書いたが、海底トンネルで結んでやれば、これも10分程度で連絡
できるので関西空港の国内線、国際線を補完する機能で使用できるだろう。

以上門外漢が夢のようなことを書いたと思われるかもしれないが、技術屋が新しい
設備を開発する場合も、まず有るべき姿を描いて、それを実現するための方策を考える
ことから始める。其の場合、どうしても利害が反することが多く出てくるが、既成
概念を撃ち破って新しいことに挑戦することで理想の装置を作る事ができる。
私の案では、伊丹空港の跡地の売却費で道路建設や新幹線の延長をするが、そんな
資金の使用についても、いままでのルールでは出来ないだろう。しかし、関西空港
へのアクセスまで含めて一つの計画であるはずで、ここまでは空港の建設資金とし、
伊丹空港売却も含めた資金計画として、各官庁の枠を越えた新ルールを認めるべきで
ある。広大な伊丹空港の跡地は場所もよいので、利用方法によっては1兆円近い投資が
発生する可能性もあり、土地の有効活用ができる。

関西空港を理想の形にするには、どうしたら実現出来るのか、そのために何をすれば
よいのか、法律やルール変更も含め、衆智を集めて議論し、努力することが必要である。


ホームページに戻る                   2004.12.26.