化学工学の話(2)
5年ほど前に「化学工学の話」と題して、化学工学とはどんな分野のどんなことを
やっている技術なのかを、あまり技術の事を知らない方に分かってもらうつもりで
書きました。
最近「化学工学」という名前の技術誌(化学工学会の学会誌)に「身のまわりの
化学工学」と云う題名で日常経験する身近なことを、化学工学の視点で解説した
記事が連載されている。
この雑誌は学会誌であり町の本屋では市販されていないので一般の人には手に入らず
図書館にでも行かねば見られないのが残念である。

今までに取り上げられている内容は「金属は冷たく木は暖かいのはなぜ」「煮物は
冷めるときに味がしみるというのはなぜ」「扇風機で涼しいのはなぜ」「気温33℃は
暑く水温33℃は冷たいのはなぜ」「汗をかくと涼しいのはなぜ」といった、我々が
身近に経験していることを、化学工学の理論で説明されている。
化学工学は主に工場の生産設備を設計計画する為に発展して来た技術分野であり
化学工学誌に今までにこのような話題で記事が載ったことはほとんど無かったので
画期的なことであり、大学の先生がこのようなテーマで書かれたことを歓迎します。
この連載をいろんなテーマで長く続けて頂きたいと思っています。
ただ、学会誌であり化学工学に興味が有る人を対象にしていることから、取り上げ
ている話題は身近なものであるが、内容的には化学工学の知識がある程度ないと理解が
難しいと思われます。従って技術系の勉強をしている学生などに問題を解く面白さを
知らせるには適しているでしょう。

私が書いた物は、一般の方に化学工学とはこんな物だと知ってもらうために、難しい
数式は一切書かずに、洗濯物を乾かす時や鰹節から出汁をとる場合のことなどを例に
定性的にだけ書いた短いもので、これも極端に簡単すぎるものであったと思っています。
現在理科離れとか技術分野が若い人に敬遠されていると云われているのを、技術の方に
目をむけてもらい、我が国の世界に誇る生産技術が伝承されていくのには、私の書いた
ような物と今回紹介した化学工学誌の記事との中間的なもので若い人に技術の面白さを
知ってもらうのが必要なのかなと思いました。

日本テレビに「世界一受けたい授業」という番組があり評判が良く、私も時々見て
いますが、今回のような「身の回りの化学工学」的な内容を旨く番組にすれば、一般の
人にも興味を持って頂けるのではないでしょうか。
また、大学の先生にもそんな人を対象にしたレベルで、身近な問題の解決に対する
論理的アプローチの面白さを知らせる本を書いて欲しいと思いました。


ホームページに戻る                      2009.5.23.