オリンピック招致と地震
今年になって地震の被害予測や個人がどう対処するか、何を準備しておかなければなら
ないかなどについてのテレビの特集番組などが多く目に付きました。
東京に直下型地震が起った場合のことについての単行本も出されていて、この中でも
予想される被害金額や死傷者数、身を守るための対処方法などについて詳しく書かれて
います。

東京に直下型地震が30年以内に起る確率が70%もあると言われており、地震が何時
起っても不思議ではないとも書かれています。
70%の確率と言えば日常生活では、恐ろしくて誰も近づかない危険性です。新幹線が
事故を起こす確率がこれだけあったら、すぐに運行停止になるでしょうし、それで運転を
続けていたら、責任者は即刻首になるほどの危険性だと思います。

その一方で、東京にまたオリンピックを招致したいとの発言を聞きました。北京、
ロンドンのあととして10年後、16年後の開催を考えると、オリンピック開催期間中に
地震が起る可能性はかなり高いと考えねばなりません。勿論起らないかもしれないの
ですが、地震学者が何時起っても不思議ではないと言っているリスクを押してまで開催
すると言うのは責任者の発言としてはとても考えられないことです。

東京に住んでいる人にとっては、逃げ出す訳にもいかないので、上記書籍に書かれている
ような対策をとって、個人の被害を最小限にとどめるようにするしかありませんし、政府
としてもいろんな対策を進めているようです。
しかし、そんなリスクの有る所で、大勢の海外からのお客さんを迎える行事を行うのは
無責任のように思われます。
オリンピックとなれば開催前後を含めて1ヶ月ぐらいの期間に、選手、関係者だけでも
一万人を超える人が海外から日本に来て滞在し、オリンピックを見にくる人を含めると
数10万人レベルの海外からの来訪者が東京に滞在することになります。この間に地震が
発生するリスクはかなり高いと判断されます。

地震の発生する時刻によりますが、東京直下型地震の場合、最悪、死者だけでも1万人を
超え、650万人の人が帰宅困難者になると中央防災会議では想定しています。
阪神淡路大震災の日に私も大阪から岡山に新幹線に乗って出張する予定でした。
地震の発生時刻が早かったので、直接の影響はなかったのですが、発生が数時間ずれて
いたら、乗っていた新幹線が脱線して、それに乗っていたかもしれないし、午後にでも
発生していたら、岡山から帰るために、何時間もかけて、裏日本の方を迂回して家に帰る
ことになっていたでしょう。

土地勘のある日本人でさえその対応が困難なのに、外国からの来訪者にとっては、大変な
ことであり、とてもどう対処してよいかすぐに判断出来ず、言葉の問題もあり、日本人
以上にパニックになるでしょう。日本人の650万人をどう対処するかさえ困難なのに、
それに附加しての大勢の外国人にどう責任をもてるだろうか。
そんなことを考えると、直下型地震のリスクの大きい東京にオリンピックを招致するなど
とても考えられないことだと思います。
オリンピックを招致するための予算で、1万人を越すかもしれない死者の数を減らし、
地震による100兆円をこえる直接、間接の被害金額を減らすために投資をするべきで
しょう。

以上のことから、日本がオリンピックを招致するなら東京ではなく、地震発生の確率の
低い都市でやるべきです。


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