許容時間
昨年、関西空港について書きましたが、その中で20分という大阪駅からの
アクセス時間を一つの目標にしました。これを読んで頂いた知人の一人から、
自分は飛行機での旅行に便利なように、伊丹空港に15分で行けるところを
選んで家を持ったと書いてこられました。
15分は理想的な時間ですが、伊丹空港を利用する人の平均到達時間がどの程度
かで、それと比較して関西空港に行くのに必要な時間を設定することが大事で
しょう。伊丹空港に15分で行ける人は、東京に行くのに新幹線を選ぶことは
無いと思います。

今回は、そんなことから、人が行動を起こすのに決め手となる許容時間について
書いてみます。これは個人差もあることなので、敢えて私ならどうするかを基準に
書きますので、読まれた方はそれぞれ、自分ならどうかと考えてみてください。

今回の問題提起になったことなので、第一の例として取り上げると、国内線が
今の状況で関西空港に移った場合、豊中に住んでいる私は東京に行く場合には
新幹線を選びます。関西空港に行くのには1時間近い時間差があるからです。
現在では、飛行機か新幹線かは半々ぐらいの利用になっています。西は九州北部まで
東は関東地方に行く場合も状況は同じでしょう。

食事の例では、日本のレストランでは注文して10分以上待たされると、ここは
サービスが遅いと思い、15分以上掛かると文句を言うでしょう。海外出張した時
日本の感覚で、ちょっと昼食をとレストランに入り、15分以上も待たされて
食べずに店を出たことがあります。勿論、昼食と夜にゆっくり会食をする場合の差は
あります。
また、店が混んでいて表に行列が出来ていることがありますが、2〜3分で入れそう
なら待ちますが、それ以上なら他の店に行きます。食べ物屋に列ぶことには、どうも
抵抗があります。学生のころ寒い時でも大学の食堂に列んで待って食べたのが、悪い
印象として体に染み付いているからかもしれないと思っていますし、また、食事に
あまり好き嫌いが無く、食べ物にこだわらない性格からかもしれません。
インスタントラーメンが売り出されて、「3分間待つのだぞ」という言葉が流行り
ましたが、3分間は待つには、まさに限界の時間であったと思います。4分、5分では
待ち時間には長過ぎて売れなかったのではないでしょうか。

遊園地や万国博などの例では、私は興味があるパビリオンでも、1時間以上待つなら
見る気がしません。30分ぐらいなら内容によって我慢して列びます。
最近は時間を指定した整理券を配っているところもあるようですが、この方式では
その時間まで他で時間を使うことができるので、見る人に親切な方法だと思います。
病院などでも、予約制をとっているところが多いようで、何時間も待たずにすむ点で
もっと多くの場所で採用して欲しい方法です。

買い物の例では、100円安い時10分ぐらいなら遠い店まで、1000円安い
時は30分、1万円安ければ2〜3時間かけてでも買いに行くでしょう。
このあたりは私と主婦の感覚とに少し差があるでしょうか。

乗り物の例では、バス、電車など10分間隔以内のスケジュールで運行されていれば
時刻表をほとんど意識せずに駅や停留場に行きます。15分間隔ぐらいだと多少意識し
20分間隔以上の頻度の運行であれば、時刻表を確かめて出掛けます。
なお、我々の年齢になるとジパング倶楽部でJRが30%安く乗れますが、新幹線で
「のぞみ」には乗れません。大阪ー東京では30分ぐらいの時間差ですから30%安い
「ひかり」を選択することになります。
電車で、立って急行に乗るか、座れる普通に乗るかは5分以内の時間差なら、特に急いで
いる場合を除いて、座れる普通を選択するでしょう。これには年齢もあるでしょう。
最近はバスでもカードが使えることが多くなっていますが、まだ処理時間が遅いように
感じます。普通の改札口のシステムでは、ほぼ人の通過速度に近いのですが、バスの
装置では1〜2秒長くかかっているようです。私は回数カードでなく、回数券を選んで
使っていますが、これだと投入するだけでスット通れます。一人1秒でも30人降りると
30秒長くかかるので、気が急いているときには改善してほしいと思います。

待ち合わせ時間では、上記乗り物の時間を考えて、10分ぐらいの余裕を見て出掛ける
ようにしていますが、待つほうは、乗り物の渋滞などを考慮して10分ぐらいまでは
待たされても仕方がないと思っています。ただ20分をこえると我慢の限界になって
きます。

電気器機の例では、最近のテレビはスイッチを入れれば直ぐに画面が出るようにして
あります。但しそのために常に待機状態にする電力を消費しています。省エネルギーの
ためには元の電源を切るのが望ましいのですが、昔の記憶では5〜6秒の時間だったと
思いますが、現代人の感覚では、スイッチを入れすぐに画像が出ないと5〜6秒でも
我慢が出来ないようです。
私のパソコンは古いシステムのままで、ダウンロードの速度が遅いのですが、普通の
ホームページを見る限りでは30秒ぐらいでは見られるのでそれで使っています。しかし
メールの添付ファイルなどで、受信に10分近くかかるものがたまに有ると、さすがに
何とかならないかと、我慢の限界になります。
蛍光灯も、昔は点灯に時間がかかるので鈍い人を蛍光灯と揶揄していましたが、今では
ほとんどすぐに点灯するようになりました。これも5秒では遅すぎる感じです。

信号待ちの例では、交差点で1分を越す待ち時間だと随分長く感じます。踏切りの場合は
3分ぐらいは普通かなと思いますが、5分になると我慢の限界の様に思います。開かずの
踏切りで10分以上待たされるようなことでは問題外のことで、すぐ対策をしてほしいとの
苦情になるでしょう。
また、信号待ちをしていて青になった時、前に止まっていた車の発進が遅い場合には
3〜4秒も動かないとクラクションを鳴らす車が多いように思います。

イベントの場合、野球、サッカー、コンサートなど熱心なファンには前日から列んで良い
場所を取りに行っていますが、このような人々にとっては24時間でも許容できる時間に
なります。

時間が絡む問題はまだまだ沢山ありますが、以上幾つかの例で人が許容する時間を考えて
みました。秒単位でも駄目であったり24時間でも許容できたりで、状況によって随分
違うと再認識しました。
空港の問題も含めて、人が物事を選択する場合に許容する時間を勘案して計画をしないと
そっぽを向かれたり、苦情が殺到する結果になるでしょう。
技術屋としても、装置を計画する上で一つ勉強になりました。また、これを書いてみて、
私は世間の平均ぐらいだと思っていたのですが、少し短気なのかなとも感じました。


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