泡の話(4)
身近に固体の発泡体も沢山使用されているので、次に各種発泡体について見てみる
ことにします。

発泡ポリウレタンのクッション材は独立気泡の素材として、その弾力性のよさから
車両、自動車の座席やベッドマットなどに多く用いられている。
台所の食器洗いや自動車の洗車に使うスポンジは連続気泡の素材で、多孔質の空隙に
水や洗剤を含んで洗浄作業に便利な素材になっており、ほとんどの家庭で使用されて
いるだろう。

また、発泡ポリスチレンは軽量で断熱性にも優れており、電器製品などの梱包材、
カップヌードルなどの容器、食品のトレー、魚のトロ箱など多くの用途が有り、
便利な素材である。その他多くのプラスチックの成形体も発泡させることが、軽量化、
省資源の目的に適うことになる。

発泡セメント(コンクリート)も不燃性で軽量化、断熱性の向上などのメリットがあり、
建材としてよく用いられている。
泡の特殊な応用例では、泡ガラスや発泡アルミニュウムなどの金属の発泡体も開発
されている。

シート状の発泡体もいろいろの用途に使用されているが、発泡塩ビ製の壁紙が壁紙の
市場中では最も多く使用されているようである。

フイルムの発泡体では、フイルム中に微細なボイド(気泡)を作って光を乱反射
させて、不透明にすることで、紙と同様に印刷、記入が出来るようになり、紙の代わり
に各種の用途に使用されている。
普通の紙よりも丈夫であり、薄くてもよいので、名刺に使うとかさ張らず名刺入れに
同じ厚みで多い枚数入れられます。
水に濡れても強度が落ちず、寸法安定性もあることから、宅配便の伝票などにも使用
されている。

繊維にも発泡技術は古くから応用されており、糸の中に気泡を入れた中空人絹があり、
マカロニのように連続した穴だけでなく、竹の節のように断続的に泡が入ったものも
生産されていた。

次に、泡を消したり、除去する技術について書いてみます。
泡が立ち過ぎると、容器から溢れるなどで困ることもあるので泡を消したいことが
あります。
泡の表面を不安定にすることで泡がはじけて、消泡出来るので、適当な消泡剤を撒い
たり、熱風をあてたりなどして、泡の表面状態を不安定にするとよいようです。
脱泡の場合は、真空中にスリットから押し出して容器の壁面を流れ落ちるあいだに泡を
破壊する、あるいは遠心力を用いて液と気体に比重差で泡を分離する方法などが用い
られています。
以上、泡について色々と書いてきて、長くなるので簡単にしか書かず、まだ書き残した
こともありますが一応今回で泡の話は終わりにしようと思います。

最後に、言葉としてのの使われ方をみてみます。
水の泡、泡(あぶく)銭、泡沫(うたかた)の恋、バブルの崩壊、泡沫候補などマイ
ナスイメージの用途ばかりでしか思い浮かびません。
英語でもBubbleは泡以外に詐欺の意味にも使用されており、bubble companyはイン
チキ会社を表現する時に使用されているようです。

泡は4回にわたって書いてきたように、非常に役に立っているのに、マイナスイメージ
ばかりの言葉としてしか使用されていないのに、義憤を感じてきました。

世の中には‘無用の用’ということもあるように、また、芝居や話に‘ま’が大切な
ように、空間として物が無い泡が全体の効用に大いに役に立っていることを、改めて
評価したいと思います。

このように役立っているのために、ビールかシャンペンで乾杯しましょう。


泡に関する単行本が出版され、書評が化学工学誌vol.68 no.6に載っています。
「泡」技術  使う、作る、排除する  柘植秀樹、海野 肇著 工業調査会出版
2004年4月発行のものです。
私はまだ讀んでいませんが、私の書いたものより深く技術的な見地から書かれているよう
です。このホームページより泡について詳しいことを知りたい方の参考に、泡に関する
専門書がある事を情報として、ここに追記させて頂きます。(2004.6.5.追記)


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