泡の話(2)
今回は、まず飲み物も含めた食品と泡について書いてみます。

これからの季節で、泡といえば、まずビールが思い出されます。ビールの美味しさをきめる
大きな要因の一つが泡であることは皆さんが認めることでしょう。適当にきめの細かい泡が
たったビールのジョッキを空ける気分は爽快そのものです。

昨年あたりから、家庭でも細かい泡が出来る小型のビールサーバーが評判になっています。
私も小型のビール樽からセルフサービスでジョッキに注ぐのをやったことがありますが、泡
ばかり出て、あふれてしまったりしてうまく泡を出してジョッキに適量を注ぐのはけっこう
難しかった。仲間の一人に上手な方がいたので、すっかりその方にお願いしていました。

ビヤホールなどでは、うまく泡と液部分のバランスをとって入れてくれる。ドイツのビール
コップにはここまで液体部分がないといけないという線が入っている。泡を売り付けてはいけ
ないとの規制であるが、ビールをよく飲む国らしいと思う。

泡と飲み物となれば、多くの炭酸飲料があるが、子供のころの想い出から言えばラムネが
一番に出てくる。それからサイダーであり、戦後はコカ・コーラがその代表になるだろう。
暑い時に飲む冷たい炭酸飲料はなんとも言えない爽快さがある。テニスのあとなど、私に
とってはビールが一番だが、アルコールがだめな状況ではただの水より炭酸の入ったものが
よい。シャンパンも結婚式など、お祝いの席には欠かせないが、泡が立つことで、より華
やかさが引き立つようである。

泡を含んだ食品も沢山あるが、その良さは、食感にあるように思う。
アイスクリームも気泡を適量含んでいることで、あの滑らかな口当たりになっている。
先に書いた、カルメラ焼きをはじめ、マシュマロ、パン、カステラ、饅頭など泡を含んだ
食品が沢山あるが、いずれも適当な空気の泡を含んでいることで、それぞれの歯当たり、
口当たりの食感になって、より美味しく感じられているようだ。

前回、流れに浮かぶ‘うたかた’と書いたが、そのころの‘うたかた’は‘かつ消え、かつ
結び’と表現されているように、きれいな水の流れで、泡が消え易いものであった。しかし、
最近の川面の泡はなかなか消えないものになっている。
原因は水の汚染による水質の悪化のせいであり、合成洗剤などが流れ込み、出来た泡が安定で
消え難くなっているためである。
シャボン玉では、安定した消え難い泡が望ましいが、泡が多く流れている川は、汚染された
水の象徴であり、家の近くの川もほとんどそんな状態になってしまっているのが残念である。

不純物が含まれているかどうかの判定に、泡立ちも使われている。
私の経験した中でも、ある素材を水で抽出して、その水を泡立てて、その泡が何秒で消える
かで、不純物が含まれているかどうかを判定する指標に使用されていた例を知っている。
この方法は、物質は分からなくても、とにかく不純物が含まれているかどうかをまず判定
するのに、かなり微量の不純物でも差が分かるので、よい方法のようである。
ただし、泡が立たないから不純物が無いとは言えないので注意を要する

次に、自然界の泡を見ると、流れの上の泡や岸に砕ける波で出来る泡などの他に、生物の世界
にもいろんな所に泡があるのに気が付く。
今の時期、もりあおがえるの産卵の状況がテレビで映されるが、泡に包みながらの産卵は一つの
風物詩である。
カマキリの卵も泡に守られて育って幼虫が出てくる。これらも、少量の材料で卵を守るのに、
発泡させていることが、有利であることを旨く使っている例である。

その他、自然界には海綿のような連続気泡のものもあり、ほていあおいのように、スポンジ
状の組織の浮きを持って、水面にうかんで繁茂しているものなどもある。
岩石でも、軽石のように気泡を含むことで、軽くて、断熱性があり、独特の用途が開けている
物もある。

このような、自然界の泡を含んだ物の物性を真似て、人工的に多くの素材が開発されているが、
次回はそんなものについて書いてみたい。


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