安全設計
東日本大震災による福島の原子力発電所の破損について種々報道されて
いるが、安全装置も地震と津波の為に破損し作動せず、被害が拡大した
ようである。私も技術に携わる者の一人として安全対策の計画の重要性に
ついて再認識させられたことであった。

地震に対して原子炉が停止し、安全を確保するための冷却システムが作動し
炉を冷却して安全が保たれるよう設計されていたが、その冷却システムを
作動させる動力源が地震と津波によって機能せず、あのような結果となって
しまった。安全装置の安全性についての配慮に欠けたところがあったと思わ
れるが、もし自分がこれを計画する立場にあったとして、同様の設計をして
しまわなかったかどうかと考えてみている。

安全に関しては、二重三重に抜けがないように検討して設計しておかねば
ならない。JR宝塚線の脱線事故の場合も運転速度制限の標識は設置されて
いたが、実際はそれを大きく上回る速度でカーブを通過して脱線し大惨事に
なってしまった。
安全システムの計画に関しては、装置は故障する、人間は間違えることがある
との前提で行うのが基本である。
重要なところは、1台が故障しても運転出来るように2台設置してバック
アップする。さらに、重要な計測器などは常に3台あって1台指示が狂っ
ても他の2の指示が合っていればそちらが正しいと判断されて運転が安全に
継続されるよう設備計画することです。

お題目としては安全第一と云いながら、実際にはそこに充分な予算をつけて
いないようなことをしていないか経営責任者の判断も問われるが、技術者
としては人的ミスを含めて、事故を発生させる可能性のある事項を全部検討、
列記し経営者が理解し判断出来るよう整理して、その対策を提案するのもその
責任である。

一方、経営者は安全に関しては必要な予算は付けるから、技術者は充分安全な
設計計画をしなさいと明確に指示すべきである。
事故が起ってしまっては、結局高い物につく結果となることを、今回の事故も
教えてくれている。
また、先に想定外について書きましたが、設計者には広い視野で調査し、関係者と
論議して、起こりうる危険性を予想し、安全計画の前提条件を明確にしておく
ことを求められる。
私も先輩から、プラントを計画する時に、現場作業者は何処で何をチェックしな
がら監視をしていくのかなど運転し易く、安全面での考慮を充分しておくよう
教えられた。


ホームページに戻る                   2011.5.26.